今年は、あの地動説を唱えたガリレオが望遠鏡を使って天体観測をしてから400年になるという。この地球が太陽を一回りして、また、新しい年を迎えた。地球温暖化が声高に叫ばれてはいるが、地球・自然の営みは正確に刻まれているようだ。でも、賀状に「100年に1度の危機とかの不安な新年ですが、人をモノやコストとしか考えない社会に対するお仕置きじゃないでしょうか。働く人あっての社会だと思うのですが…」との声が飛び込むように、昨年来、その地球上に生きる人間の営みが危うい状況にある。
金融危機の震源地、アメリカは「チェンジ」を訴えたオバマ氏が大統領に就任したが、この国、日本の首相は「チェンジ(政権交代)」を恐れてか、衆院解散権のカードを一向に切ろうとしない。いや、内閣支持率が20%を下回っては、カードも切るに切れないのだろうが、年末年始の「年越し派遣村」をみるまでもなく、政治の停滞で国民を路頭に迷わしていいはずがない。
先日、週刊東洋経済(1/10号)で「若者危機」という特集を組んでいた。何しろ、雇用者に占める非正規社員が20〜24歳で43%、25〜29歳で28%に達し、親との同居も6割というから、ふつうではない。彼らは人としてのふつうの人生、職場を持ち、結婚して夫婦で子供を育て、家を持ち穏やかな生活を送る、という誰しもが描く幸せの基本パターンがこんな生活では到底描けない。社会人としての出発点から人生航路が遮断されているのだから非惨だ。
彼の寺島実郎さんが、TVで彼らは時給1000円の世界から脱して、働きがいのある、挑戦すべき仕事に就くべきで、農業はその選択肢の一つと言っていた。定額給付金とやらは個人が「盛大に使う(こんな金額で盛大とはいかがなものと思うが)」のではなく、オバマ大統領の向こうを張って、日本版「グリーン・ニューディール」、農業振興や環境対策など、彼らが生きがいをもって働ける雇用対策に集中して使うべきと思う。未来に希望の描けない若者たちがこうもいてはこの国の未来はありえないのだから。
史上最悪といわれるブッシュ大統領の唯一の功績は、オバマ大統領の誕生と皮肉られている。この体で言えば、麻生首相の功績は、政権交代を実現したひと、となるのだろうか…?