「光る海」と「笑う山」が伊豆の春の魅力。3月末、伊勢海老と桜を期待に伊豆の知人宅に行った。海は春の陽光でキラキラ、でも、お目当ての桜は花冷えのせいか、もう一息の体。だが、桜はもう直、日本列島を埋め尽くす。何せ桜は「田の神が来臨する花」ともいわれるが、農耕民族象徴の花、農作業のスタートを告げる花だ。
「神様が降りてきました」。これは第2回ワールド・ベイスボール・クラシック(WBC)の韓国との決勝戦で、優勝を呼び込む一打を放ったイチロー選手の弁。なかなか調子の出なかったイチロー選手も、最後は田の神ならず、野球の神様に祈ったのやも。それにしても、今回のWBCフィーバーは一体何だろう。普段、野球には見向きもしないオクさんまでも、テレビにくぎづけ。宿敵韓国が相手のせい?イケメン揃いの若手選手のせい?暗いニュースばかりで閉塞感漂う世の中、侍ジャパンの活躍がせめての憂さ晴らしなのだろう。
日本2連覇を達成した原監督は麻生首相に「日本力」と書いた色紙を贈ったそうだが、この首相率いる政治の日本力は、野球の足もとにも及ばない。かてて加えて、政界の一郎も政治資金規制法違反とやらで足もとをすくわれ、国民、いや、民主党悲願の政権交代も危なげ。
何しろ、自民も民主も党首が太郎と一郎のままの方が選挙は戦いやすいというのだから、どっち向いて政治をやっているのと言いたくなる。おまけに北朝鮮から何やら物騒なものが落ちてくるやもとか、いや、いや何ともお粗末な日本。
話しはまた、野球に戻る。春のセンバツ、紫紺の優勝旗は「白河の関」越えならず、長崎へ。そして、今度はプロ野球が開幕。世界一は日本、日本一は?巨人原監督は「今年から5連覇」と豪語する。それとも「サンダース人形の呪い」が解けた阪神、いや、岩隈やマー君の楽天かも。でも、野球は「たかが野球」(この後「されど野球」とつづける人もいるが)。しかし、政治はたかがでも、されどでもない。原監督じゃないが、オールジャパンで潔さと覚悟をもって「日本力」を発揮して欲しいものだ。