ガソリンの値上がりを反映して、ハイブリッド車のレンタカーが増えてきました。インターネットでレンタカー会社のホームページを見ていると、軽自動車やハイブリッド車から申し込みが入っているような気がします。車両のレンタル料金が昔に比べて下がっている分、ガソリン代が割高に感じられるからでしょう。下手をするとレンタル料金よりガソリン代が高くつくなんてことも起こりうる話です。
私も先日、レンタカーでハイブリッド車を初体験しました。トヨタのプリウスという車で、発進するときには電気でモーターを回し、状況に応じてエンジンに切り替わる仕組みです。ゲームの操作レバーのようなシフトバーを動かしてドライブモードにし、フットブレーキを外してアクセルを踏み込むと、意外なほどスムースに動き出しました。モーターからエンジンへの切り替わりも違和感がなく、非常に良くできているなという印象でした。一番気に入ったのは、ハンドルについている「インフォメーション」ボタンでした。
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ボタンを押すとカーナビの画面が切り替わり、今現在の燃費、5分ごとの過去の燃費、通算の燃費など表示してくれるではありませんか。しかもその数字が私のアクセル加減に反応して上がり下がりするのが面白くてたまらなくなりました。上り坂でアクセルを踏み込むと燃費がリッター5kmくらいまで下がりますし、下り坂を惰性で走っている時にはリッター40kmをたたき出すのです。リッター40kmとは何と魅力的な数字でしょう。なんとかして良い燃費で走ってやろうとするものですから、スピードは抑え目になりますし、知らず知らずのうちに安全運転になっていたようです。そのくせ、発進時にはモーターでスタートするので、十分な加速が得られ、周りの車の流れに乗り遅れることもありません。驚くほど自然に燃費が上がるような運転を学習することができました。
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ビジネスの世界には、コックピット経営という言葉があります。飛行機の運転席であるコックピットには操縦している飛行機の対地スピード、高度、高度の変化、左右の傾斜、上下の傾斜などを知らせる様々なメーターがついています。パイロットはこれらのメーターを読み取り、瞬時に判断を下しながら飛行機を操縦しているのですが、農協の経営あるいは個人の農業経営にも同じようにコックピット経営を取り入れてみてはどうでしょう。自分の農協あるいは農場の状態をモニターしながら経営すれば、的確な手を適時に打つことができるからです。
プリウスを運転していた私は、燃費計のおかげで燃費をかせげて安全な運転をすることができました。農協の経営あるいは個人の農業経営においても的確な業績のバロメーターを設定しておくことで、より高い業績をあげる可能性があります。何がやりたいのかを絞り込めば、それほど複雑なバロメーターを設定しなくてもいいはずです。ぜひ、コックピット経営にチャレンジしてみてください。