自転車が絡んだ事故が多発しています。歩行者の間をものすごいスピードで駆け抜けたり、後輪ブレーキのない自転車で車道を突っ走る若者たち。携帯メールに熱中して、片手運転でふらふらしている女性もいます。警察はとうとう、自転車の取り締まり強化に乗り出しました。
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自転車は、道路交通法では軽車両に分類されます。車両というだけに、原則として車道を走らなければならなりません。自転車から降りて押していれば歩行者扱いです。免許証は不要ですが、交通規則に違反すると違反キップを切られます。これまで自転車で反則金を払ったという話をあまり聞かなかったのは、警察が大目に見ていたからでしょう。
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取り締まりを強化する一方で、ユーザーに交通規則を正しく理解してもらう必要があります。
私は、自転車メーカーや販売者などがユーザーの教育や啓蒙活動に積極的に貢献すべきだと思います。多くの自転車が輸入であることを考えると、輸入者も啓蒙活動に参画すべきでしょう。
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しかし、単純に自転車を車道に戻すだけで問題は解決するでしょうか。
自転車が車道に溢れるようになると、自動車との事故や車道の渋滞など、別の問題が増えるでしょう。自転車専用レーンを作るなど、自動車と自転車と歩行者が安心して利用できるインフラの整備が重要です。行政、警察、自転車業界、ユーザーがそれぞれの立場でできることを考え、暮らしやすい街づくりへのきっかけとしてもらいたいと思います。