空前の円高が続いているというのに、輸入品の価格が下がったという実感がありません。
例えば、外車の価格は1年前に比べてほとんど下がっていない。為替のレートは1年前に比べると数%円高に振れているので、外車の価格は数%下がってもおかしくないと思うのですが、実際にはそうなっていません。それは、長期的な視点で価格を決めているからというのが海外の自動車メーカーの言い分のようですが、どうも腑に落ちません。
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海外の自動車メーカーの2011年9月の国内新車登録台数は、前年同月に比べて19.8%増の2万6200台とのこと。1〜9月期でも7.4%増の20万6648台と好調に推移しており、この辺りに価格が下がらない理由があるように思います。
つまり、輸入前の価格を単純に円に換算して決めているわけではなく、日本の市場で一体いくらで売れるのかという観点で価格が決まっていると考えるのが自然でしょう。もし、売れ行きが落ち込めば価格はおのずから下がると思います。
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農産物の輸入価格についても、似たようなことが起こる可能性があります。
国産の農産物と同じ価格で買ってもらえるのであれば、何も価格を下げる必要はないからです。高い価格で売って多いに儲けた方がいいに決っています。一方で、世界的なレベルで人口増加に食糧供給が追いつかないと言われており、いくつかの農作物の価格は、生産コストに関係なく高止まりしていることを忘れてはなりません。