6月21日は社会全体でがんのことを考え支え合う「がんの日」になったってことご存知かしら?
6月21日は北半球の夏至、南半球の冬至。つまり太陽が北回帰線の真上に存在し、その日から太陽の動きが変化する節目の日に当たるってわけ。世界共通の季節の変化の節目に当たるこの日に「がんも人生の節目であること」を重ねあわせて、地球の最も長い昼、最も長い夜に「がんについて考え語り合う時間」をと提唱したのが「キャンサーリボンズ」。
人生50年から人生100年時代と2倍も生きるようになったおかげで、男は2人に1人、女は3人に1人の割合で一生涯にがんにかかるといわれている。実はわたくしは30年間、膠原病と付き合い続け右肺摘出、左肺は肺気腫、ついに一昨年から酸素ボンベの世話になっているが、長い間膠原病はがんにかからないというのが俗説になっていた。ところがある日、外出先で下痢の大排出。翌日から便秘、たまに出ると鉛筆の芯のような細い便。内視鏡で調べたら立派に大腸がんだった。「くそっ、神も仏もあるものか」と怒髪天をつく思いだったが、おかげで、5年を迎えた今もこれといった変化も見あたらずまあまあ状態で暮らしている。わたくしは昔から真実を恐れて逃げ回るという生き方を断固排除して生きてきた。おかげで、こと病気も、怪しいと思ったら逃げ回らずにさっさと病名を明らかにするための検査にすっ飛んでいく。原因が分からないと不安だが病名が分かると、闘うと言うよりは上手に手なずけてこの30年生き続けてきた。
話がちょっと飛んでしまったが、「キャンサーリボンズ」には患者さん、自分らしい生活を送りたいと願っているすべての人々、がん医療やヘルスケアに携わる多くの専門家、がんの早期発見や予防に関する啓発活動に従事する方などすべての活動を通してリボンで結ばれつながっていけたら、という思いが込められている。もうすでに日本列島のあちこちに「リボンハウス」が開設され、がん患者さんの「治療と生活」をつなぐ、具体的な情報とケア体験を提供している。わたくしも山田邦子さんも「キャンサーリボンズ」の委員をしているが、山田さんは豪勢。がんから立ち直った直後に、がんに関係のあるスターに声を掛け、山田邦子団長の男女四声合唱団を結成し、がん患者さんに生きる希望を与えるためにボランティアでかけめぐっている。おまけに山田邦子作詞作曲、倍賞千恵子さんの夫の小六禮次郎さん編曲で、がんささえ合いシンボルソング『あなたが大切だから』まで作ってしまった。
「あなたと手をつなごう その手と手
いっしょに歌おう 大きな声で
あなたのやさしさ あなたの笑顔
わかっているよ ありがとう
つなげよう心の虹のリボンで
咲かせよう心に愛の花を
貴女が大切だからアイリスの花」
アイリスの花言葉って「あなたが大切」。だからキャンサーリボンズのシンボルマークはアイリスの花なの。6月20日は山田邦子さんたちは笹川記念館で男女四声合唱を。わたくしはリボンズハウスの発祥地新百合ヶ丘のホテルで、竹下景子さんのホスピスをテーマにした俳優座の芝居の台本の一部の朗読。乳がんを乗り越えて女の詩人の詩を作曲して歌っている吉岡しげ美さんのコンサート。そしてわたくしと大腸がんの主治医東京厚生年金病院の外科部長の志田先生とのトーク。司会は語りの名手、深野弘子さん。
JAの女性のみなさん、みなさまの機動力でキャンサーリボンズを日本列島くまなく張り巡らすことにお手を貸してくださいな。事務局の電話番号は「03―3546―6101」なんです。アイリスの花の合い言葉って高齢地区や過疎地のテーマでもありますもの。