ひゃー驚きましたよ。1月23日に突然昏睡。緊急入院して気が付いたら集中治療室にいたのですもの。検査の結果、なんと白血病。と言っても急性ではなくて慢性骨髄炎。人生百年時代になると後半期には思いがけない病気になるものですね。慢性骨髄炎と言うのはガンではなくて、遺伝子の順位が突然変わってしまうと言う遺伝子病なんですよ。
本当にラッキーな事に9月にアメリカで遺伝子の変化を元に戻す最高の薬が作られていて1月には日本にも導入されていたのです。おかげで19万近くあった白血球が今では1万台にまで減ったのです。
わたくしは強運ではないけれど、どん底力が絶大なんですよね。どん底に足が着いたとたん高々と飛翔する。人生だって山もあれば谷もある。どん底だと思った時に、どん底力を発揮して人生の谷を美しい富士山に変えなくっちゃ。
わたくしのどん底力の原動力は実は俳句なんですよ。
実はね、我が家から歩いて20秒位の所に実妹が住んでいて、この実妹が中堅どころの俳人でしてね。丁度わたくしが63歳の時、妹が我が家に来て、
「自宅で句会を開きたい。一番客観的に選句を出来るのは7人が最高。6人までは集まったけれど、輝子さんが入ってくれたら7人会が成立する。輝子さんは物書きだからきっとすばらしい俳句が作れると思うわ」
とのおだてにひょいと乗って以来78歳の今日まで句作を続けているのですよ。
わたくしも参加している結社「同人」の実妹は今ではなんと8代目主宰。結社「同人」は、正岡子規の弟子が大正9年につくった、歴史の長い結社なんですよ。「同人」には、「機関誌同人」があってね、毎月五句投句するのです。わたくしは、同人欄からはじまって、いつのまにか黄梅集作家から紅梅集作家になってしまいました。継続は力なりを改めて感じ入っているのです。
あのね、17文字の俳句は物事の神髄を見きわめ、自分を律することにとても力があるのです。病気に対するなげきや、苦しみや、悲嘆に明け暮れていたらどん底に蹲ってしまう。だから、生きるのよと言う自分を元気づけるための底抜けに明るい俳句を何と30句近く作り上げちゃったんです。
花がらのパジャマや春にくるまれる
病室に春のハミング満たしける
春水をあふれせしめて顔洗う
薔薇色の中にとっぷり春の夢
こんなにも春夕焼けの真っ赤っか
ざんぶりこ春の日ざしの中ねむる
チューリップいのち赤々燃やしける
ねっ、悲嘆に明け暮れる自分を大空に自由に飛び交う春カモメのような自分に変えてしまう。これが俳句の最高の力なんですよね。
JAのみなさん、人生のどん底から高く、高く飛翔するどん底力の原動力、俳句をお始めになってはいかがでしょうか。どん底力が絶対に発揮出来ます。自信をもって受けあいますよ。