コメに関して医学や食品、工業での利用などの観点からコメの有用成分を論じるシンポジウムが、10月26、27日に和歌山県文化会館で開かれる。主催は第2回国際シンポジウム「コメと疾病予防」組織委員会(組織委員長=南條輝志男和歌山県立医科大学理事長兼学長)。後援は農水省、和歌山県、日本医学会など。
医学、薬学、農学、工学などさまざまな分野の第一線でコメの成分を研究し、活躍している国内外の研究者に最新の研究動向を紹介してもらうほか、現状の問題点を論じ合ってもらう。
米食はおいしさの面から主に白米食として消費されているが、コメの有用成分の大部分は、精米過程で除去される米ぬかに含まれる。米ぬかは古くから各方面で利用されており、米の資源としての重要性が高まった。米ぬかに含まれる有用成分の研究や生産技術の開発がすすみ、米油などの食品をはじめ、イノシトール、フェルラ酸、オリザノールなどの医療品や各種工業原料として利用され、保健や医学的有効性の面でも注目されている。
シンポジウムは、疾病予防、医療品、食品、飼料などの開発にたずさわる産官学の研究者や技術者、さらにはコメを通した教育、行政にたずさわるひとびとが一堂に会する意見交換の場となる。
基調講演のテーマは、民俗学、疫学、食品科学、イネに関する基礎研究、日本人の食生活など。招待講演のテーマは、フェルラ酸、タンパク質、脂質と脂溶性成分、IP6とイノシトール、でん粉、食物繊維、アントシアニンなど。
シンポジウムのホームページ:http://www.rice-studies.org/sympo08_j/index.html。