10月号の特集は「価格高騰〜いったい何が起きているのか!?」。多くの農家を経営危機に追い込んでいる農業資材などの価格高騰。農家への影響、取組みぶりを管内農家の実例で紹介している。南足柄市のある農家は、重油高騰にたまりかね、27年間続けたハウスミカン栽培を昨年止めた。3、4年前ならなんとかやれたが、燃費、資材高騰で赤字になり「やめざるをえなかった」。ハウスを壊し、露地栽培に転換した。他にもハウスミカン栽培をやめ、無加温栽培や高接ぎ栽培に転換した人がいる。
中井町の酪農家は飼料用トウモロコシを自家栽培し、コスト低減に効果をあげている。収穫機の裁断型ロールべーラーが労力軽減、飼料の品質向上に役立っている。農機の省エネ利用にトラクターやコンバインの適正なエンジン回転数の励行で燃費低減を果たす例も。「ピンチでも負けないぞ」との意気込みがあふれる。
JAは土壌診断で施肥体系の見直しをすすめ、肥料や農薬の予約自己取引値引きや大口対応値引きなどを実施。重油高騰対策では荒茶工場に秋冬番茶の荒茶1kgに対し40円を特別助成している。しかし、これ以上のコスト削減はもう限界だとして、国策による緊急支援とエネルギー問題の抜本的対策を訴えている。