物語はキャベツが日本に導入されてから岩手県に「南部甘藍」として定着し、産地となった地域の歴史を辿っている。現在の「いわて春みどり」という全国的なブランドとなるまでに経験した衰退の時代から復活に至るまでのドラマが詰まった一冊。「南部甘藍」の生産者や、若手後継者による座談会が盛り込まれているのも見どころだと紹介している。
誌面では管内で園芸相談役をしている照井仁一郎さんと同書の編集委員長を務めた農研機構農村工学研究所の清水克志さんが対談し、本への思いを語っている。清水さんは「歴史を共有することで産地としての結束力強化にもつながるのでは」と期待する。