「とっくり大根」は漬物用の小型ダイコンで、漬物需要の低下などにより今ではほとんど市場に出回らない珍しい野菜となった。
誌面に登場しているのは3世代で栽培を続けてきたという田中栄作さん・敬子さん夫妻。伝統野菜を守りたいと平成12年に生産グループを立ち上げて、助け合いながら生産している。
収穫したダイコンは「とっくり沢庵」となって、毎年9月に販売が始まる。発売開始日はスーパーの店頭に立って試食販売し、消費者との交流を大切にしている田中さんは、小学生に栽培から漬物加工の指導も行っている。「『とっくり大根』に興味をもった子どもたちが、将来伝統野菜の守り手になってくれれば」と思いを伝えている。