今回は手稲山口地区のスイカ栽培農家。スイカ産地の半世紀の歴史をさりげなく聞き出し、それを骨子にして、ところどころに本人の発言を組み込んで、全体の記事の流れをつくっている。
記事づくりで大事なことは本人の発言であるかっこ(「…」)をうまく生かすことだ。
学校の近くの畑で、子どもたちにスイカづくりを教えている本人に「体験を通して少しでも地元の農業に関心を持って欲しい。この地で、スイカという作物が開拓時から引き継がれてきたのは、他で真似しようと思ってもできないものだからこそ、若い人にはこの地を大事にしていってもらいたい」という発言を引き出している。
この一言で、産地の歴史から、本人の地元や子どもたちへの思いがすべて伝わる。本人自筆の「農は国の富なり」の署名入りも心憎い。