黒田官兵衛は、かつての福岡藩の藩祖。といっても転封は息子の長政の時代だが、「福岡」の礎を築いた武将で、福岡市にとっては重要な人物である。それだけに福岡市内で官兵衛の足跡には事欠かない。官兵衛の紹介は長文だが、福岡とのかかわりを、平易な文章で綴ってある。
特に福岡城とのかかわりには紙面を割いており、戦乱の終わった後の商人の町・博多と共存し、繁栄させることを目指したという。
和歌や連歌をたしなみ、キリスト教にも心服し、「官兵衛の人徳と知恵と博愛精神はなくして『福岡』というまちの礎は築けなかったかもしれません」と結んでいる。郷土愛に満ちた特集である。