米国の産業構造は1970年代から大きく変化。今では製造業などに取って代わって金融・保険・不動産・リースなどが主要産業となり、GDPの構成比率で4分の1はマネー関連ではないかという。マネーは80、90年代に国家戦略となり、マネー資本主義化が進んだ。結果は「汚染マネーが世界中にばらまかれた」とした。本紙創刊80周年特別企画の座談会で内橋氏はかつて米国がWTOで成立させようとした多国間投資協定(MAI)の“悪夢”を忘れてはならないと提起した。協定案は「米国発のマネーに対して、どこの国もバリアを設けてはならない」とするもの。もしこれが成立していれば日本では「たとえば地場産業への制度融資などもMAI違反になる」と推論した。国内企業への公的支援は外資への差別とされるからだ。この協定は「幸い世界のNGOが反対してつぶした」が、今後は米国の戦略展開の場となっている「WTOの正体を見抜いた上で農業交渉に臨む必要がある」とした。 (記事参照)