「農協に入って、まず体験したのは『水』の確保だった。当時の組合長とともに一生懸命組合員に畑地灌漑事業への加入を進め、やがて標高400〜500mの台地に高梁川からの恵みをいただき、みなで喜び合った。その後、農業構造改善事業に取り組み、モモの団地づくりに向けて集落座談会や組合員への説得に夜明け間近までお願いしたこともあった」と農協運動の思い出を語った。
特に力を注いだのは「農畜産物の販売戦略の改革」だという仁摩氏。15年前には当時まだ珍しかった特産物直売所を地域内外に出展した。
JA阿新ぶどう部会は平成20年度日本農業賞の大賞を受賞、リンドウは出荷量100万本を達成し21年度県農林水産漁業近代化表彰を受賞し、トマトでも県内屈指の産地を確立させるなど、地域農業のみならず岡山県農業の発展にも大きく寄与した。
【略歴】
(にま・としあき) 昭和15年11月25日生まれ。34年3月岡山県農協講習所修了。同年4月草間農業協同組合入組、平成8年2月阿新農業協同組合参事、10年3月退職、12年7月阿新農協専務理事、15年6月退任、18年7月阿新農協代表理事組合長、現在に至る。19年7月全農岡山県本部運営委員会委員。
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