富山県厚生連は全国で初めて全県一円を利用組合とする、農協の先人達が昭和11年設立した病院。「早期発見、早期治療」を目的とした農村巡回診療を昭和13年から始め、病院と農協の絆は強い。
昭和55年、各農協の生活指導員たちの協力を得て農家のみそ汁塩分調査を実施。この調査で県内の減塩運動が広く進んだ。
また、地元の農協青年部と地下水の水質・用水調査を行い、それがきっかけとなって青年部員各自が毎年自分の家に植樹する運動に発展した。農作業事故や農薬中毒調査にも取り組んで予防対策を進めてきた。
【略歴】
(おおうら・えいじ) 昭和47年新潟大学農学部農芸化学科卒。富山県農業試験場、富山県衛生研究所を経て、昭和48年10月から富山県農村医学研究所に研究員となり、カドミウムの毒性試験、地下水調査、農薬中毒、農作業事故調査や農村地域の健康調査を実施。
昭和57年より富山県厚生連健康管理課を兼務、課長、部長を歴任。この間、地域ぐるみの健康づくりに奔走。特に、検診の過去データを、傾向が分かるトレンドグラフ化し全国で初めて構築。平成22年4月より富山県厚生連・健康管理担当審査役。
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