西澤組合長は、自身でも弘前市で長年リンゴを作り続けてきた。今の生産現場での課題について、「ここ10年、生産量はほとんど変わっていないのに販売額は2割も減ってしまった。これだけ価格が低迷すると、いかにお金にならない下級品を少なくつくるか、が重要だ」と指摘する。
リンゴの消費拡大については、「『リンゴが赤くなれば医者が青くなる』などの根拠がわからない言い伝えではなく、実際にリンゴには体温を上げる効果があり、人間は平熱が1度あがると免疫力が40%高まる、などの科学的裏づけをしっかり広報する必要がある」という。
リンゴの色・形をよくするためには手作業が必要でなかなか省力化はできない。高齢化がすすむ生産現場で、このまま色・形重視の商品をつくっていたらいつか行き詰るだろうとの不安を述べ、「葉っぱを取らない『葉とらずリンゴ』などの新ブランドが、市場でしっかりした価格で取引されるようにしたい」と目標を掲げた。
地域でのJAの役割については、「JAつがる弘前の選果場では900人という大規模な雇用機会を創っているし、袋やダンボールなど生産資材の取り引きも地元を利用している」と、JAが地域と一緒になって支えあっている現状を紹介した。