JA中札内村は北海道十勝地区の中ほどに位置する。組合員戸数は170戸と小規模だが、平成21年度は北海道110JAの中で6番目に多い3億1000万円の剰余金を計上した。20年の農政事務所の調査では、農家の1戸あたり平均所得が1844万円となっており、全国的にも類をみない高所得地域である。
「生産者とJAが一体にならないと、この数字は実現できない。生産者が責任を持ってつくるためには、JAの徹底した営農指導が必要だ」という山本組合長。
以前、とある生産者の作物から残留農薬が検出された時、断固としてその生産者からの出荷を一切認めなかった。たった1人の過失が産地全体のブランド力に影響を及ぼすからだ。「厳しいかもしれないけど、産地を守るために徹底した。何より、職員がよく頑張ってくれた。職員ががんばれば、生産者にも高い協同意識と確かな生産意欲がうまれる」という。
中札内村のえだ豆は作付面積580ha、生産量3500t(どちらも、22年産)と全国的にも類をみない一大産地だ。収穫したえだ豆の9割以上が「そのままえだ豆」(1パック300g)の商品名で、鮮度の高いおいしい冷凍えだ豆として、全国の量販店や外食店などに流通している。