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【岩手県・鳥喰生産協業組合長】
大和 章利 氏

 「所得補償というからには、最低でも21年度の所得は確保されると期待したが、それどころではなかった」と米価が低迷するなか、戸別所得補償のモデル事業の補てん金では赤字を賄いきれない生産現場の苦しさを述べた。

 大和氏は、今年4月まで地元JAで集落営農アドバイザーなどを務め、JA全中の水田農業ビジョン大賞を受賞したこともある。
 米価の将来的見通しについて「政府が過剰米の買い上げはしないと明言しているし、来年はさらにもう1段下がると思う」という。平成21年の概算金は1万2100円だったが、22年は3400円も下がって8700円だった。さらに、品質低下や収量減もあいまって、鳥喰生産協業組合の10aあたり損益分配金は1万円以上減り、戸別所得補償の固定払い・変動払い金をあわせても赤字経営になった。
 「今年のように落差の激しい年は、水田利活用自給力向上事業にあった激変緩和措置のような制度が必要ではないか。『米産地資金』というような名称で、地域・等級間の差に対応できる仕組みにしてほしい」と提案した。

食・農・環フォーラム2010シンポジウム

(2010.12.13)