小池氏は長野県の元農協職員。昭和59年に無人直売所を始めて話題を呼んだ。現在、下伊那郡で運営する農産加工所では県内外から年間1800件以上(うち8割が個人農家)の受託加工を行っているが、「全国に加工施設がたくさんできて、わたしのところに持ってきている人が来なくなるぐらいの方がいい」という。
農文協などから農産加工の書籍も多数出版し、ベストセラーとなっている。「農産物を捨てるのは簡単。しかし子育てと一緒で、枝になった実に罪はない。捨てているもの、安値で取引されているものをどうやって活かすかが、これからの農業経営に必要な視点だ」と農産加工の重要さを説いている。
加工や直売でもっとも力を発揮するのは地域の女性たちだ。農山漁村女性の活躍について「人数が少ないとか、規模が小さいとかではダメ。女性の起業が地域産業を支えるようにならなければいけない」とエールを贈る。