海外に出ると日本のよさがよくわかるという石原氏。「日本には四季があり、土壌の質もよく、水も潤沢にある。これだけ農業に適している国は他にない。もう一度、日本の農業技術を見直し、農業にロマンを感じてほしい」という。歴史上、自らの食料をつくれなくなった国が繁栄したためしはない。今こそ、農業にロマンを与え、国民的な関心を高めるべきだと提言する。
同社のキーワードは「環境を汚染しない」だ。昨年発表したピリミスルファンは10aあたりの有効成分量がわずか6.7kgと画期的に少ない。一般に少ない薬量で効果があるというのは、それだけ毒性が強いのではないかと敬遠されるかもしれないが、それについて石原氏は「選択性といって、雑草だけにしかない代謝性に効果があるので雑草だけが枯れ、人体にはまったく影響がない。今はそういう選択性を突き詰め、低薬量で分解が早く残留しないものでないと受け入れられない」と説明してくれた。
しかし、そういった技術の進歩がなかなか理解されていないのも事実。「もっと私たちが努力しなければならない」と、これからの目標を語った。