結田氏がとくに注意を促しているのは、ネギ、ニンジン、ジャガイモなど地中に埋まっている農産物だ。
セシウムは土壌の表層に溜まる性質があるため、土壌表面へ降り注いでから20年以上経っても土中5cm以下には沈殿しない。「農作物の検査は食べられる状態で検査しているが、これらの農作物は土が付いた状態で出荷されることが多い。「これらの農作物を食べられる状態で検査しても、高濃度の汚染土壌が消費者の家庭に持ち込まれれば消費者の信頼を失う可能性がある」と述べ、集荷場でよく洗うなどの対策が必要だという。
また、チェルノブイリ事故から25年経った今でも放射能汚染の影響が出ているというイギリスの羊放し飼い農家を例に出し、「牛は牧草15cmあたり約100gの土を同時に食べている」と注意を喚起している。