中野氏は昭和23年佐賀県生まれ。32歳の時、久保田町農協の組合長に就任して以来、30年以上農協運動に尽力してきた。
これまでの経験で最も印象的だったことについて、「私が農業を始めたころは米価運動が盛んな時代で、米価も右肩上がり。日比谷の野外音楽堂で集会を開くとすぐに満員になった」と振り返る。
当時は農業者の運動に対して政府は与野党ともに「打てば響く関係だった」というが、「いまの多くの政治家は、わたしたちが言っていることの基本が分っていない」、だから農業なんていらない、海外から買えばいい、などの意見が出てくるのだと苦言を呈する。 農業にとって厳しい時代だが、技術の提供、生産コスト抑制などを通じて「農家が働きやすい環境をつくっていくことが、全農として取り組むべきことだと考えている」と、今後の展望について語った。
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