種市氏は、昭和62年に三沢市農協(現JAおいらせ)組合長理事に就任。平成8年JA青森中央会会長、16年JA全農経営管理委員会会長などを歴任。19年6月から現職に就いている。
農協運動の指導者として、また、現在は行政の指導者として、地域づくりや農業の活性化などに尽力してきたが、今の地域の問題については、「農業や漁業が活性化しないと町は元気にならない」と提言する。
その一例として自身の活動を挙げた。「三沢は今でこそ全国に誇れる野菜の生産地だが、もともと野菜などは全然できなかった地域。仲間と立ちあがって直売所を始め、やませなどのハンディを乗り越えるために長イモなど土にもぐる野菜の産地化に取り組み、今ではJAの野菜販売額だけで65億円ほどになった」。いまは、新たな作物として、黒ニンニクの産地化に取り組みたいという。
また、第26回JA全国大会で「10年後のJAの姿」が打ち出されたが、今後のJAの活動については「3年なり、10年なりの目標と計画を立てることが求められている。JAは協同活動で成り立っているということを今一度整理して、組合員に理解を求めていく必要があるのではないか」と提起している。
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