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【JA全中専務理事】
冨士 重夫 氏

 「基本計画は農業政策や予算執行のメルクマール。これを見直す必要があると思う」。12月25日付の農業協同組合新聞でインタビューに応じた冨士氏は、現行の食料・農業・農村基本計画の見直し議論が「年明け早々から始まるのではないか」との見方を示した。

 冨士氏は今後の農政課題として、戸別所得補償制度を含む経営所得安定対策の確立や、農地の集積や担い手の育成などの課題をあげた。その課題を解決するためには、「(26年度までの現行基本計画を)1年前倒しして、26年度から新しい基本計画に基づく農業政策の展開ということになるのではないか」と述べた。
 こうした見方に対して、27日に就任会見を行った林芳正新農相は「政権交代をして制度の見直しの着手もしていく。そのなかで基本計画を変えないといけないということになれば、その都度判断していく」として、前倒しで検討する可能性については、「今の時点で排除すべきではない」と語っている。
 また、冨士氏はTPPについて、「守るべき国益は、こういうものとこういうものだということが示され担保されたうえで、TPPに参加するとかしないとか議論し直すべきだと思う。今の枠組みに乗っていくという話では絶対にない」としている。JAグループとしては、政府与党のなかにTPP反対勢力をつくっていく取組みが重要だとして、そのために「この秋から発行している『TPPニュース』を全国会議員に配布し、私たちが持っている情報を徹底的に開示し、共有してもらう必要がある」と述べ、医師会や生協などの関連団体との連携を強化し、広がりをもった国民運動にしたいと語った。


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(2012.12.28)