村田氏は「日本の農業はまだまだ大きな可能性を持っている」という。というのも、シンジェンタは世界90カ国以上で事業を展開しているが、「(農薬工業会の賀詞交歓会のような)農薬という限られた分野のパーティーで、これだけ多彩な経営者、科学者、技術者、農業者が集まるパーティーは世界中どの国を見ても日本しかない」からだ。「日本は世界でもっとも優れた生物科学、化学、物理学の宝庫」だとして、これだけの人材・知財を持っている日本農業は、さらに発展することができると強調した。
「世界への発信」の一例としては、本紙インタビュー(2013年1月7日付)でも農地利用の観点から農産物の輸出戦略の重要性を述べている。「水も土地も豊かで気象条件に恵まれた農地を休耕し荒廃させている国は世界を見渡してもない。日本農業は国内需要を満たすことはもちろんだが、輸出という選択肢がなければ農地活用の最大化は出来ないし、農業を活性化させることも困難だ」としている。
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