150頭を飼養する酪農を営む石井さん。一泊二日で農業体験を行う「ふるさとファームステイ」で消費者交流や食育活動に力を入れているほか、生産面では遺伝子組換えをしていない飼料を牛に給与する“non-GMO牛乳”を生協に販売している。
しかし、この10年間、全国で酪農家が次々に廃業し、また、世界的な燃料と穀物の高騰を受けて非遺伝子組換え飼料が手に入りづらくなるなど、厳しい経営環境が続いている。
そうしたなか「盟友の発想力でピンチをチャンスにかえる!」と一念発起。20戸の酪農家との共同出資で餌のミキシング作業や自給飼料中心の発酵TMRを製造するセンター「(株)アドバンス」を設立し、地域のエサの安定供給、コスト削減などを実現した。
現在は家畜のふん尿などを発酵させ、ガスや液肥をつくるバイオガスプラントに着目しているという。
「畜産が盛んな地域を次世代クリーンエネルギーを活かしたエコタウンモデルとして全国に発信したい。JAは地域のエネルギーセンターになるべき」だと力強く語った。