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【JA東京むさし三鷹地区青壮年部】
須藤 金一 さん

 須藤さんたちが農業を営んでいるのは、東京の市街化区域だ。この区域は、都市計画法で「10年以内に市街化を図るべき」とされた地域であり、「ここで農業をしないでね、と言われた土地」だ。須藤さんらJA東京むさし三鷹地区青壮年部は、その市街化区域内での都市農業を存続させるため、地域や周りの住民に理解を求める活動を行っている。

 同部の取り組みは2月14日、東京・日比谷公会堂で行われた第59回JA全国青年大会の「JA青年組織活動実績発表全国大会」で最優秀賞となる千石興太郎記念賞を受賞した。
 同部は昭和62年からこれまで26年間にわたり、市内の全小学校で食育活動を続けてきた。それにもかかわらず、10月にキュウリの大量注文があったり、地域に米農家がいないのに学校に田んぼをつくってほしいとの要望をうけるなど、地元農業に対する理解がまったく浸透していなかった。
 同部ではこうした状況を打破しようと、農家暦や農作業のタイミング、食育の豆知識、旬の野菜レシピなどを載せた「食育カレンダー」を制作。これに掲載する絵は子どもたちから募集し、その展示会も開催。多くの市民の関心を集めた。
 また、市民を交えての横浜税関視察ツアーを企画。JAにも補助金を出してもらい、輸入食品や加工原料の現場を見学し、国産農産物の大切さ、都市農業の役割などを市民に訴えた。
 その一方、国会議員への要請を粘り強く続け、都市農業の存続や制度改革に向けた議論を大きく前進させるなどの活動も。
 代表として発表し表彰式に登壇した須藤さんは、「これからも都市農業を守るため闘い続ける」と決意を新たにした。


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(2013.02.25)