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【井関農機(株)代表取締役社長】
木村 典之 氏

 「農家を過酷な労働から解放したい」。井関農機の創業理念を語る木村社長。「この精神とDNAを連綿と受け継いできた」からこそ、多くの特許などの知的財産があり、それを支えるための人材育成を続けてこられたのだという。

 木村氏は昭和29年愛媛県生まれ。愛媛は井関農機の創業の地でもある。関西支店長やヰセキ北海道社長などを歴任し、平成22年常務執行役員、24年専務執行役員を経て、同年6月現職に就任した。
 農機の開発は「基本的にはベンチャービジネス」であり、「私たちはベンチャー精神を忘れていない」と胸を張る。
 日本は南北に長く、そのため地域によって気候・農地の条件は大きく異なる。従って「こういう機械化システムがあるから、それにあわせてください、というアプローチだけでは農業の機械化の速度は極端に遅くなる」。同社はそうした地域や作物に合った農機を数多く開発し、農業の機械化に大きく貢献してきた。
 農機の開発のためには、地域の農業を理解することが大事だという。「農作業のノウハウと機械の利用を合わせて提案」し、また、「小規模経営でも経営が成り立つ廉価で、使いやすく、また高齢者にも易しい機械」を開発する一方、「大規模化をめざす農家向けには価格以上の効果が期待できる高能率な機械を提供」していくことで、「あらゆるカテゴリーの農業者に適切な機械投資をしてもらいたい」と希望を述べた。


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(2013.03.25)