TPPによって、てん菜、小麦、大豆、ジャガイモなどの生産に影響が出れば、そうした畑作を軸にしている北海道農業の「輪作」体系は成り立たなくなる。しかし、「輪作という農業は消費者にも理解されていない」のが現実だ。
「日本のおいしい農産物」というと、野菜や果物をイメージしがちだ。しかし、そもそも「(てん菜や小麦は)粉になって口に入るもので、その品質がいいか悪いかはなかなか実感できない。だから国産などなくてもいいような気持ちになってしまう」と指摘。「日本の農産物はいい、大丈夫」とする意見に「大きな落とし穴がある」として、「そもそも食料とは何かをこそ考えなければいけない。やはり自分の国のものを食べる。国のものしか食べなくても飢えないようにしてもらいたい。改めて食や地域の危機感を発信していくべきだと思う」と強調する。