発表のテーマは「食と農を守ろう! 私たちのTPP反対運動!」。『家の光』のTPP解説記事を参考に勉強し、TPPの寸劇をつくり地域で上演した経験を語った。
「TPPは農業だけでなく、生活そのものを破壊してしまうものなのに、地域のみなさんと話をしていると、みんな農業が経済発展を阻害しているという認識だった。このままではいけない。地域全体の問題として考えなくてはならない」と危機感を募らせ、毎年9月のJA女性部大会でTPPの寸劇を上演することにした。
まずは、『家の光』を参考にTPPの勉強をすることからスタート。女性部員は年齢も仕事もさまざまで親の介護などもあり、なかなか全員集まれなかったが「練習しているうちに団結が深まり」、当初10人だった参加者は23人へと増えた。本番は拍手あり、笑いありで大成功。「エンディングの瞬間は最高に幸せだった」。
その後、家族や地域でもTPPが話題になることが増え、寸劇はISD条項など新たな問題点も入れて他の支部が引き継ぎ、他県にも広がった。「TPPは偉い人たちが考えるものだと思っていたが、仲間と一緒に学び、表現したことで関心が高まった。10年先、20年先も安全な食と豊かな生活環境を守るため、自ら勉強し、地域へ情報発信していきたい」と力強く発表を結んだ。
審査委員長の石田正昭・三重大名誉教授は「(TPPという)時事問題をテーマにした、これまでにない切り口での取り組みだった」と評価した。