孫崎氏は、TPPの最大の問題点は「企業利益最優先の社会体制をつくることが目的」担っていることだと指摘する。そして、それを担保するのが、投資家が国家を訴える制度である「ISD条項(投資家対国家紛争解決手続)」だという。
ISD条項は、企業が投資をしたとき、その投資が投資先の国の政策的判断でマイナスを被ったら国家に賠償させるいう制度だ。「本来、ISD条項は新興国などで法律に不備があって、投資しても不利益となるような場合に備えての措置でした。ところが企業は利益確保に使えることが分かって先進国で使いはじめた。それも想像を絶するような賠償額の訴訟になってきたことから、国家としても賠償金を取られるよりは企業側の要求に合わせるかたちで、法律や制度をつくっていこうということになってきたわけです・・・。