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【JA全中前常務】
伊藤 澄一 氏

 WTO(世界貿易機関)の交渉決裂、リーマンショック、アベノミクス、2度の政権交代、東日本大震災と原発事故、異常自然災害...。この8月にJA全中の常務を退任した伊藤澄一氏は、就任期間中の思い出として「何百年、あるいは何十年に一度の大きな出来事が連続した」と語った。

 伊藤澄一氏は昭和27年生まれ。52年にJA共済連に入会し、研修部次長、普及部次長、開発部長などを経て、平成20年にJA全中常務理事に就任した。
 JA全中では教育・生活分野を担当した。その中での役割は、「JAグループのテーマは農業生産だけではなく、組合員のくらしや地域社会への関わりも大事だということをクローズアップすること」であり、「新聞や雑誌などでJAの外に向けて発言する機会もあった」。
 なかでもTPPについては、「TPPは農業生産、食料確保だけのテーマではない。地域と組合員のくらしに大きな影響をおよぼす」ものだが、「JAグループが、TPPの問題を“みえる化”させることで、食の安全安心、高齢化問題、農村女性の社会参画など地域の問題もクローズアップされてきた」という。22年10月に菅直人首相(当時)が唐突にTPP参加を言い出したとき、JAグループが、その影響は農業だけではないと反論したことで、農業以外の生協や医療、弁護士・学者なども同調した。このことについて「JAグループは本当に苦しみながら取り組んできたプロセスがある。いろいろな声を代弁する国民運動にもなってきたように思う」と語っている。


(関連記事 【対談 JA全中の役員を終えて 思うこと・伝えたいこと】村上前副会長・伊藤前常務(前編) で。)

(2014.10.03)