体制のいかんを問わず、統治は政権外部に台頭する「ナショナル・センター」を忌避する。ナショナル・センターとは国内全域に強い影響力を発揮する「対抗勢力」のことだ。かつての国鉄解体は「国労」というナショナル・センター潰しが狙いだった。役割を果たした当の政治家が後に明かした。「郵政」も同様だ。折しも台頭した市場原理主義のなか、すべてに「構造改革」の名を冠したという。真の狙いは外からは見えない。分厚な靴底の裏側に貼り付けた。
昭和の初め、私たちの「普通選挙権」も「治安維持法」とのセットだった。相互矛盾の両法をセットに組んだのは議会ではなく枢密院である。議会制民主主義が理念通り機能するのを恐れてのことだ。対抗思潮をはらむナショナル・センターは分断、解体に追い込む。君主政治であろうと寡頭政治であろうと民主政治であろうと、変わるところはない。
女性史家バーバラ・W・タックマンが歴史的事実の徹底検証を経て到達した歴史の「法則」である。『愚行の世界史』に詳しい。(文末注)
(続きは、【特集・地方創生の主役は農業協同組合】「F・E・C」自給圏自立を で)