man・人・woman

JAcom man・人・woman

一覧に戻る

【東大名誉教授】
今村 奈良臣 氏

 サッカーの戦略や戦術を農協(JA)の改革とその活性化に応用できないか、と私は考えている。

 昨今は安倍晋三首相のトップダウン式の指令で無謀な農協改革提案が出されているが、こうした中、農業・農村の現場に立脚する農協が、サッカーの戦略、戦術を学ぶことを通して、その活力を取り戻し、農業、農村に熱気を吹き込み、その力量を発揮できないだろうかという想いを一層強くしている。
 周知のことであるが、サッカーの通常の基本陣形は、第1図に示したように、攻撃の要となるフォワード(FW)が1〜2人、試合を組み立てるミッドフィルダー(MF)が5〜6人、防御を担うディフェンス(DF)が3〜4人、それに守護神として失点を防ぐゴールキーパー(GK)1人である。
 この布陣の中で、もっとも重要であり勝つための戦略、戦術部門を担うのがMFである。農協になぞらえて言えば、営農企画部門にあたる。農業生産に携わる組合員を巧みに組織し、地域農業の在り方、農業生産の方向づけ、最新農業技術の注入・伝授、土地利用や施設利用の調整、「老中青婦」の望ましい結合の方策、さらに農畜産物の多彩な加工を含めた「農業6次産業化」への英智と技術の普及など多彩な分野を担当する。要するに、いかに農協管内の活力に満ちた姿を創造するかという重要な部署であり、勝利を実現する実戦に臨む作戦本部でもある。

(続きは、【特集・食と農、地域とくらしを守るために】地方創生―主役は農業協同組合 で)

(2014.11.13)