「地域が何を必要としているかは、地域に密着していなければ分からない」という小内氏。
“地域で必要とされている農協”の一例として、2月の大雪被害への対応を挙げた。「春の大雪では、ビニールハウスの8割、約140haが倒壊した。JAは直ちに災害対策本部を立ち上げ、まず、全職員を動員して倒壊ハウスを撤去したが、今もパイプ資材が不足し、再建中が4割で、完成率は1割そこそこ。ハウスがなければ、今年の春作は無収入になるので、急遽、無加温、露地の代替作物を入れたが、来年の春作が間に合わないと、2作がだめになってしまう。 農協は復興に向けて積立金2億円取り崩しをいち早く決定し、被害を受けた方に被害対策として10a当たり撤去費3万円、復興対策で再建7万円、あわせて10万円を実施した。ほかにパイプハウスや廃材の処理、見舞金など、全体で3億円近くになる」という。
政府の規制改革会議は、「事業で利益をあげろ」というが、そうなると、こうした災害時の助成金をカットして配当に充てるということになる。「そんな意見をいう人は、地域に協同組合が何のためにあるのか分かっていない。配当も大事だが、それは十分な備えができてからのこと。これから厳しい経済環境が予想されるなかで、そのリスクを考えると、可能なときに積立てするのは当然。もしもの時の大きな備えになる」。
(続きは、【シリーズ・農業・農協改革】地域の協同活動を支援 で)