バイエル　クロップサイエンス（株）（ジョン　グレイ社長、本社：東京都千代田区）は、４月に入り水稲の重要害虫である斑点米カメムシ類およびいもち病に対し優れた効果を発揮する新規の殺虫殺菌剤『イモチエースキラップ粒剤』を新発売した。
　同剤は、バイエル　クロップサイエンス社が開発したフェニルピラゾール系殺虫剤の有効成分「エチプロール」とストロビルリン系殺菌剤の「メトミノストロビン」を含む粒剤タイプの殺虫殺菌混合剤で、主に斑点米カメムシ類およびいもち病に卓越した効果を示す。
　本剤を水稲の出穂10日前後に本田処理することで、水稲の吸汁害虫、特に斑点米を引き起こすカメムシ類およびいもち病、穂枯れ（ごま葉枯れ病菌）に高い効果を示す。
　水稲生育後期の穂いもち病、カメムシ防除は従来、液剤散布、粉剤散布が主流で防除作業は重労働だった。本剤は、粒剤であることから散布時の労力を軽減でき、合わせて水田周辺への農薬飛散（ドリフト）防止に有効となっている。加えて、長い残効性を有していることから、安定した効果を示す点も魅力。
　これにより、「キラップ関連剤」は８剤となり、「本剤は『キラップフロアブル』、『キラップジョーカーフロアブル』、『キラップ粒剤』とともに重点品目に成長させたい」（社長室）という。
　なお、世界のバイエル　クロップサイエンス社は、売上高が58億ユーロ（2007年）で農薬、防疫用薬剤、さらには種子および植物バイオテクノロジーの業界で世界をリードしている。売上に対するグローバルでのＲ＆Ｄ（研究開発）費の比率は10.9％（同）。
　日本では、約380名の従業員が、研究から販売までの業務に携わっており、茨城県結城市に研究所を、山口県防府市に工場を有している。