業界初の専用剤
|
サンケイ化学(株)(福谷明社長、本社:鹿児島市)は5月7日、待望のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシとして有名な外来種)を防除する『スクミノン』を市場投入した。この分野の防除は石灰窒素、キタジンPなどが先行しているが、専用防除剤としては業界初。
本剤はメタアルデヒドを有効成分とした粒剤(ベイト剤)で、スクミリンゴガイに対して高い誘引殺貝効果を示す。
平成10年から「KI−75」の試験コードで(社)日本植物防疫協会を通じ数々の公的研究機関で薬効・薬害の検討がなされ、スクミリンゴガイに対する優れた効果と作物に対する安全性が確認された。
また、同時に人畜への安全性評価試験や作物、土壌への残留試験がなされ、人畜や環境に対する高い安全性も確認されている。普通物、A類相当。4月30日付けで農薬登録を取得していた。
いっぽう、スクミリンゴガイは、新紐舌目リンゴガイ科の淡水巻貝。タニシとは科が異なり、大きいものは殻高が7cmにもなるためジャンボタニシと俗称されている。原産は、南米のラプラタ川流域。
1980年代の初め頃、長崎県の養殖業者が「食用」として輸入したが、その後、九州で養殖されていたものが各地に広まり、野生化していった。
農水省調査によると、平成18年のスクミリンゴガイの発生面積は約8万4000haにのぼり、福岡、佐賀、鹿児島、静岡、宮崎の各県の順で発生面積が多い。関東では千葉県での発生が問題になっているが、温暖化の進展によっては発生域が北上する可能性が高い(グラフ参照)。
『スクミノン』の上手な使い方(移植栽培)として、「全面均一散布が基本だが、水口周辺や深水になる場合は被害が多い傾向にあるため、それらの場所には所定の範囲内で多めの散布を呼びかけて」(営業本部・技術普及部)いる。
流通チャネルは、クミアイ化学が九州以外の系統、サンケイ化学が九州の系統および商系ルート。
水田中の成貝
|
用水路側壁に産まれた卵塊
|