『ピンクスイング』
|
タキイ種苗(株)(瀧井傳一社長、本社:京都市下京区)はこのほど、極早生で病気に強い省エネ型品種で、かわいらしいパステルピンクの花色が魅力的なチドリソウ『ピンクスイング』を新発売した。ピンクのチドリソウは打率(シェア獲得)4割を超えるのか。
昨今、チドリソウの市場は、切り花延命剤の活用で切り花としての需要が高まっており、数多くの品種が登場している激戦区。
チドリソウは現在、市場で人気の高いデルフィニウムの親戚・仲間として切り花やドライフラワーとして好評価を受けている。また、アレンジメントとして、なくてはならない品目として成長した。
ただし、デルフィニウムやチドリソウには、需要が高まっているピンク系の品種が少なく、これまで、ブルー系の品種が王道を走っていたことに加え、一方では、チドリソウにはデルフィニウム「シネンシス」系(注)のような一本立ちして分枝に優れ、ボリュームのある品種が求められていた。
『ピンクスイング』は極早生の一重咲き品種で、従来なかった淡いパステルピンクの小花が魅力となっている。しっかりとした茎による花もちの良さ、切り花としての使いやすさ。長く楽しめる品種に仕上げられた。2001年の『ブルースイング』と一緒に楽しみたい。
現在、原油高による燃料費や各種資材の価格高騰により、切り花生産の低コスト化が希求されている。極早生の同品種は燃料費を節減でき、立枯れ病などの病害に対しても強く、薬剤の散布回数を減らすことができ、かつ生産コストを抑えた省エネ型の品種として期待される。
同社では今後、花色のバリエーションを増やしていく意向だ。
かつて、野球(スイング)の世界では「赤バット」の川上哲治、「青バット」の大下弘が有名だ。タキイの「ピンク」チドリソウのバットは4割の打率を残せるのか。
(注)「シネンシス」系 距(キョ:がく、または花弁の一部がふくろ状や角状に突出したもの)がなく、一重の花をスプレー状に付けるデルフィニウムの一種。