三共アグロ（株）が、この３月から市場投入する非ＳＵ（スルホニルウレア）系の水稲用初・中期一発除草剤「イネキング」も３成分３製剤を揃えた。同社の販売エリアは全国となっているが、北海道では日産化学工業（株）との併売。
　「イネキング」の製品コンセプトを同社取締役農業化学製品部の片倉武郎部長は、「自社開発のピラゾレートに、新規成分のピラクロニルとベンゾビシクロンを合理的に配合した除草剤であり、３剤型のラインアップをもち、さまざまなニーズに対応できる初・中期一発剤」だという。
　「イネキング」の特長も、「３成分３製剤を揃えた一発除草剤」（同）が１番に挙げられ、地域やほ場条件に応じた適切な剤型を選択したい。使用時期は１キロ粒剤、フロアブルが移植直後〜ノビエ2・5葉期（ただし、移植後30日まで）、ジャンボが移植後１日〜ノビエ2・5葉期（同）となっている。
　また１キロ粒剤、フロアブルにおいては田植同時処理も可能であるほか、ＳＵ（スルホニルウレア）剤抵抗性雑草に対して高い効果を発揮する。そして、効果の発現も早く、イボクサなど畦畔からの侵入雑草など広い殺草スペクトラムを有している特長も見逃せない。
　さらに特筆しておきたいのが、各種成分の相乗効果が期待できること。有効成分のピラクロニル＋ピラゾレート、ピラクロニル＋ベンゾビシクロンの絶妙なコンビネーションにより、特にノビエに対して速効性や残効性が期待できる。
　今後の普及展開として、「３成分３製剤のラインアップ、田植同時処理が可能、ＳＵ抵抗性雑草対策剤、広い殺草スペクトラムといった特性を生かし、様々なニーズに応えることができる初・中期一発除草剤として全国的な普及を目指していきたい」（同）という。
　ピーク時の普及目標面積は１キロ粒剤４万4000ha、フロアブル２万5000ha、ジャンボ２万1000haの、トータル９万haの普及面積を目指していくが、そのためにも「普及組織であるＡＲ部の機能を最大限活かし、よりエンドユーザーに近づいていきたい」（同）としている。草種拡大など、今後の適用拡大も期待される。

水稲用除草剤事業に強みをもつ三共アグロ。 「イネキング」は３製剤をそろえる。 （左から）イネキング１キロ粒剤、イネキングフロアブル、イネキングジャンボ