静岡製機(株)(本社:静岡県袋井市・鈴木直二郎社長)は、このほど独自の新機構による米粉製造システムを開発し、販売を開始した。これに伴い2月10日、港区芝の(財)機械振興協会において、記者発表会を開催した。
製粉サンプルを説明する鈴木社長 |
最近、食料自給率向上や米の消費拡大の中心的方策として、米粉の利用拡大が積極的に推進されているが、そうした社会的要請に適合した、画期的な米粉製造システムの登場となった。
シズオカの「サイクロンミル製粉機」の基本的な原理概要は、次の通り。
・乾式で、製パン用の米粉製造が可能な旋回流式製粉機。
・高速回転するインペラで発生する気流により、原料同士の衝突が起こり、その衝撃、せん断力により粉砕する。
・高速の気流そのものによる衝撃・せん断力で粉砕も同時に起こる。
◎米粉製粉機としての特長
1.乾式で高品質の米粉が製造できる。良いパンができる吸水率の低い米粉を始め、麺・ケーキ・クッキーなどの高品質の米粉食用製粉が可能。
2.分級機(篩い)を必要としない。ミル本体が持つ遠心分級機能により、一定粒度の微粉を取り出すことができる。
3.粉砕による変質が抑えられる。本体の水冷式冷却と、気流の流れにより粉砕時の発熱が少ないため、材料の変質が軽微である。
4.機械摩耗が少ない。粉砕は粒同士での衝突と流体せん断力により行われるので、インペラの摩耗がほとんど無い。
5.保守点検が容易。粉砕室が簡単に開閉できる構造になっており、点検・分解・清掃が容易であるなど。
◎多目的粉砕機としての応用
前記の特長の他、旋回流式製粉機の「粉砕する材料を選ばない」という特長を生かし、1台でさまざまな農産物の微粉製造に利用できる。たとえば、油分の多い大豆でも全粒微粉砕可能○ハト麦などの皮の硬い穀物も全粒均一微粉砕ができ、利用用途が広がる○蕎麦も微粉化すれば十割蕎麦を容易に作れるなど、あらゆるものが微粉砕可能だ。
◎「シズオカサイクロンミル製粉機」の発売型式はSM-400、SM-250(4月発売予定)の2型式
但し、製パン用米粉を製造するには、このサイクロンミル製粉機の他に、無洗米、金属検出機、篩い、などが必要であり、同社では設備設計をはじめ、製粉システムとしての納品を考えているため、製粉機単体での価格公表はしない。
すでに「JA東とくしま」へ、SM-400の導入が決まっており、当面は全国10ヵ所のJA・業者への導入を検討している。
製粉機本体と米粉製粉機設備 |