この展示会は、プライベートブランドとOEMにフォーカスした日本唯一の展示会だ。JA全農 生産資材部資材課は、植物由来のプラスチック「ポリ乳酸(PLA)」を使った農産物出荷容器を出展した。
ポリ乳酸とは、トウモロコシ等の植物から取り出した澱粉の発酵によって作られた乳酸を原料とする樹脂で、石油資源の節約になり、環境に優しい素材だ。
用途はミディトマト・ミニトマト・イチゴなどの出荷用透明容器で、JAグループでは、21年度に1000万パックを出荷している。取り扱い県本部なども増えており、現在は青森、岩手、栃木、新潟、岐阜、長崎の各県本部、愛知、福井、熊本、鹿児島などの各経済連と奈良県農などが取り扱っている。
JAグループでは、22年度には5倍増の5000万パック、将来的には1億パック以上の取り扱いをめざしているが、その数量は決して多いとはいえない。現在、ミニトマトなどの出荷容器として通常の樹脂パックが5億パック以上、イチゴなどの300g・250g・平詰め容器の普通品が6億パック以上出回っているという。
価格は全国統一で、安く提供できているとのことで、段ボール事業と同じように、原料から製品供給まで全農がチェックし、係わっていく、と担当者は語る。
製品パッケージの底部には、バイオマスマークや全農マークが押印されており、普通の製品と区別することができる。
「環境に優しい」というコンセプトは、農産物出荷容器の分野でも重要視されてきている。
(写真)
上:全農ブース
下:PLA(ポリ乳酸)製のイチゴ用パック