野菜や果物、水産物などさまざまな食材を乾燥させ保存・一次加工し、規格外品や余剰収穫物などをロスなく利用して新たな特産加工品・機能性食品づくりなどに役立てられる電気乾燥機だ。天日干しと違って短い時間で、天候や鳥獣害被害などを気にすることなく高性能な乾燥食品がつくれると好評だ。
　静岡製機は平成21年１月、業界にさきがけて多目的電気乾燥庫を発売したが、実需者ニーズにあわせて、小型やステンレス製などさまざまな製品を発売してきた。このたび新発売する「ドラッピー　ｍｉｎｉ」はこれまでにない超小型タイプの電気乾燥庫だ。
　幅32cm、高さ48cm、奥行き38cmで重さは10.5kgとオーブンレンジとほぼ同じ大きさ。女性１人でも楽に移動ができ、家庭の台所や厨房にもそのままおけるコンパクトさで、価格も６万6150円（メーカー希望小売価格、税込）と手ごろな値段だ。
　ツインヒーター方式、マルチ気流方式を採用し、乾燥ムラが少なく、従来の大型乾燥庫よりもさらに機能、性能を向上させ、作動音も36デシベルと、一般的な電子レンジやオーブンレンジよりも静か。１時間あたりの消費電力が約3.5円という低コスト設計も魅力だ。
　また、用途も多様で、農産加工以外にも、飲み物やお弁当などの保温、食器や調理器具の乾燥にも利用できる。
　発売は従来の電気乾燥庫と同じく、ＪＡや農機メーカーの販売ルートを通じて行う。６月から受け付けを始め、７月中旬から出荷する予定。
　発表会で商品を説明した鈴木直二郎代表取締役社長は、「農家の軒先や土間など、どこにでも手軽に置ける大きさ。ぜひ農家に１台、ということで普及させていきたい」と販売拡大に期待を寄せた。同社では初年度販売予定台数を3000台としている。