一般的な長ネギは、葉鞘(白く身が柔らかい部分)30cmで全体が60cm程になるよう緑色の葉身を切除して出荷される。葉鞘を長くするには日光を遮るための土寄せ(ネギの根元に土をかぶせる作業)が必要で、長さ30cmほどに生育させるには5〜6回の作業を要するため栽培期間が長く、労力もかかる。一方、葉鞘を短くすると全体的に細くなり商品価値が下がるため、短い栽培期間でも葉鞘が太く育つ品種が求められていた。
「ゆめわらべ」は、平成21年に同研究所が育成した短く太い品種「ふゆわらべ」をさらに改良したもの。多収で辛みが少なく、5〜11月頃まで長期間安定的に収穫できるようになった。
収量は4〜5月播種の秋どりで10aあたり4.5t。1月播種の夏どりでは同5.1tになる。葉鞘の長さはいずれも24cm程度で、径は16〜18mmほど。
通常の長ネギより短いため、持ち運び・収納に便利で、少人数の家庭でも使いやすいなど、最近の消費者ニーズにも合致した品種になっている。