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【農研機構 作物研究所】
加工適正が高く、病害虫に強いサツマイモ「あいこまち」  農研機構

 農研機構作物研究所は、青果用のサツマイモ新品種「あいこまち」を育成した。糖度が高く菓子類への加工適性が高い上、病害虫にも強く、「ベニアズマ」に代わる新品種になると期待している。

 関東の青果用サツマイモ生産は「ベニアズマ」が20年以上大部分を占めているが、「ベニアズマ」はイモが大きくなりすぎて外観が悪くなったり、年によっては品質が安定しないなどの課題がある。
 西日本では「高系14号」が普及しているが、「ベニアズマ」、「高系14号」ともにネコブセンチュウや黒斑病、立枯病など病害虫抵抗性が低いといった問題もある。
 「あいこまち」はこうした課題を克服し、イモの外観がよく、糖度が安定して高く、病害虫にも強い新品種だ。
 イモの平均一個重は194gで「ベニアズマ」の264gより軽いが、10aあたり平均収量は273kgで「ベニアズマ」とほぼ同じ。イモの条溝がないため外観がよく、貯蔵性も高い。
 病害虫への抵抗性は、ネコブセンチュウに強く、黒斑病、立枯病にも耐性がある。
 食味は、アミラーゼ活性が高いため蒸しイモにした時の糖度が高く、調理後の黒変も少ない。蒸しイモの粉質やホクホク感も高いため、青果用だけでなく加工用適性も高い。
 今後、民間の種苗会社などを通じて苗を販売していく予定で、農研機構では「全国のサツマイモ栽培地帯で、特に関東での作付拡大を期待している」としている。11月に東京ビックサイトで開催される「アグリビジネス創出フェア」にも出展を予定している。

あいこまち(左)とベニアズマ(右)のいも

(写真)あいこまち(左)とベニアズマ(右)のいも

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