花壇や鉢物としてよく使われるプリムラは、国内の苗物ではパンジー、ペチュニアに次ぐ出荷量で、年間約800万ポットが出荷されている。
しかし、ほとんどの品種が固定種であるため、発芽率が低かったり、開花時期や草姿にばらつきがあり、安定した出荷ができないなどの課題があり、高品質なF1品種が求められていた。
「アプリ」シリーズは、こうした課題を克服した新品種で、播種後14日目での発芽率は88%と、従来の極早生プリムラ品種に比べて10ポイント以上高く、安定した生育ができる。また、花弁や葉が厚くしっかりしているため草姿がよく、株の中心に花が咲く「センターフラワリング」性質にも優れており、花径5cmほどの花がドーム状に次々と咲いていく。
プリムラの産地である埼玉県で試作したところ、生産者からは「色ごとの揃いがよい」、「固定種に比べて株のできあがりが早く、早期出荷できる」、「葉が厚く、枚数が多い」などと高い評価を得た。
5月中頃から7月頃までが種まき期で、10月から1月にかけて出荷期となる。
税込み希望小売価格は、種子が1袋1000粒入りで3990円、プラントップ苗が406穴セルトレー(380本保証)で8379円。プラントップ苗は同社の100周年記念品種として、4月受注分まで7182円の特別価格。全国のJAや種苗店を通じて販売する。
今後もさらに花色を追加していく予定で、シリーズ全体で初年度500万円、3年後に年間3000万円の売り上げを目標にしている。
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全10色のラインナップで発売する「アプリ」シリーズ