農水省の農林業センサス等研究会(座長:小田切徳美明治大学農学部教授)は3月4日第3回研究会を開き、平成22年2月1日に全国で一斉に実施する「2010年農林業センサス」の調査項目の事務局案を承認した。
前回の2005年に比べ、大きく変わるのは、調査項目数の減少。「農林業経営体調査」は、前回の375項目をほぼ半減させ202項目にする。また、「農山村地域調査」も「市町村調査」を前回の37項目から11項目に、「農業集落調査」を前回の32項目から16項目にしぼる。
項目の設定は、基本構造の把握に必要な事項は前回に引き続き継続して把握することとした。新たな施策ニーズに対応するものは新項目を追加する。
一方で、センサスでの詳細な調査が必要ないものは、母集団情報として簡素・効率化し、把握することとした。調査結果が参考程度にしか利用されない項目や、過去に利用されていたが現在は利用が少ない項目は廃止する。毎年全数把握が必要な調査は他の調査で把握する。
2010年センサスの最終実施案は11月に統計委員会に諮問され、来年1月の答申を受けて決定される。
調査項目数を大幅に減少させるのは、農水省が進めている統計調査分野の総人件費改革の人員削減を反映させるねらいがある。
◆農林水産統計を再構築
国家公務員の人員削減が進められているなかで、農水省は統計業務に携わる人員を現在の4132人から2228人へと1900人程度削減することにし、調査の外部委託を増やす。今後、省内関係部局の協力を得て、スクラップ・アンド・ビルドによる農林水産統計の再構築を進め、現場主義を重視した農政の展開に役立つ統計調査を実施する考えだ。
具体的には、統計部が実施している32の統計調査を抜本的に見直し、廃止5調査、調査票の削減30調査、調査項目の削減29調査、調査の周期年化(毎年はや実施しない)などの目標のうち、可能なものは20年度から順次実施する。
20年度の調査は米政策改革、水田・畑作経営所得安定対策、農産漁村活性化対策、耕作放棄地対策等へ的確に対応する、としている。