【酪農】 1戸当たりの農業粗収益は3408万円で前年比1.7%減少した。搾乳用育成牛の評価額が低下したこと、乳価が下落したことなどによる。農業経営費は2820万円で3.8%増加した。飼料費の増加や動物費の上昇などによる。農業粗収益から農業経営費を差し引いた農業所得は588万円で21.9%減少した(集計戸数653戸) 【繁殖牛】 粗収益は568万円で7.5%増加した。子牛価格の堅調な推移による。経営費は375万円で飼料費の上昇などにより9.3%増加した。所得は193万円で4.3%増加した。各類型の中で粗収益、所得ともに上がったのは繁殖牛経営だけだが、経営規模は他の類型に比べて小規模で平均所得も高くない(236戸)。 【肥育牛】 枝肉価格が堅調に推移したことから粗収益は2.8%増の4312万円となった。経営費は肥育用もと牛の取得価格が上がって動物費が増加したことなどから6.3%増の3639万円。このため所得は12.6%減の673万円(190戸)。 【養豚】 販売頭数が増えたことや枝肉価格が前年に引き続き堅調だったことから粗収益は5.8%増の4493万円となった。しかし飼料費の増加と、規模拡大による動物費の増加などから経営費は8.1%増の3624万円となった。結局、所得は3%減の869万円(186戸)。 【採卵養鶏】 鶏卵生産量は増えたが、卵価の下落で粗収益は4.1%減の3405万円。経営費は配合飼料価格の上昇などにより2%増えて2958万円となった。所得は448万円で31.3%減った(83戸)。 【ブロイラー養鶏】 出荷羽数が増えて粗収益は3.3%増の7925万円。経営費は飼料費の上昇などで3.8%増の7175万円。結局、所得は2%減の750万円となった(59戸)。 ◇ 収益性を飼養頭数規模別にみると、酪農経営では規模が大きくなるにつれて所得は高くなっている。平均所得は588万円だが、30頭規模までは平均所得に届かず、30〜50頭の階層になって初めて588万円を上回る。100頭以上の階層では平均の約2.5倍の所得だ。 しかし肥育牛経営では100頭までは平均所得の673万円に届かず、100〜200頭の階層でも、所得の伸び率は低い。それが200頭以上の規模になると平均の約3倍の所得となって大きく格差がついている。 繁殖牛経営の規模拡大もこれにやや似たパターンで30頭以上の階層になると平均所得193万円の5倍近い所得となっている。 |