日本共産党の志位委員長は3月7日、国会内で記者会見し、同党の農業再生プランを発表した。食料自給率の向上をめざし、安心して農業にはげめる農政への転換をめざす。食料自給率が40%を切り、食をめぐる事情が変化しているうえ、農業者が切羽詰まった状況にあり、食料の安定供給が危機にひんしているため、農業を再生させる必要があるとしている。
同党は平成7年に食管制度が廃止された際、総合的農業政策を発表したが、農業の総合政策をまとめたのは13年振りとなる。
食料自給率の向上を国政の最重要課題に位置づけ、あらゆる手段を尽くして行くとしている。政策の柱は(1)価格保障・所得補償制度の充実、(2)担い手育成、(3)国境措置の維持・強化、(4)食の安全と地域農業の再生の4つとする。
価格保障は不足払い制度により、生産者米価60kg当たり1万7000円を保障する。さらに所得補償を1000円上積みし、1万8000円とする考え。政府備蓄米は最低150万tとし、3年間の棚上げ方式にする。計画的な出荷・販売に対し、金利・倉庫料を助成する。麦・大豆への交付金制度を復活し、さらに10a当たり5万円の奨励金を所得補償として支給する。
対策に必要な予算は9000億円で、平成20年度農業関係予算案のうち、価格・所得対策予算5400億円に4000億円を追加すれば実施可能だとしている。
担い手対策では、多様な家族経営を維持することを柱にする。「水田・畑作経営所得安定対策」をやめて、農業を続けたい人すべてを応援するとしている。
今後、JA全中等への説明やシンポジウムの開催などで理解を求めて行くとしている。