JA全農は3月14日に開催された第13回経営管理委員会で「平成20年度事業計画(案)」を決めた。
20年度事業計画では、まず、世界的な食料・鉱物資源を奪い合う構図は恒常化しており、穀物・原油・肥料は当面高い価格水準で推移すると想定。米穀をはじめ農産物価格は短期的に上向くことはあるが、総じて低迷基調にある反面、生産費上昇分は価格に反映されず「農業経営は一層厳しさを増し」ていると情勢を分析した。
こうした情勢を踏まえて20年度は「喫緊の課題である海外原料価格高騰対策」「20年産米の生産・販売対策にJAグループを挙げて取組む」とともに「国内農業が小規模兼業農家から大規模生産法人まで多様化するなかで、組合員の営農類型・規模に応じた柔軟な対応を実践」することを「基本方向」として打ち出している。
とりわけ「20年産米の需給と価格の安定をはかる」ために「計画生産の実効確保に向けた体制整備」をするとともに、「実需者に接近した販売」に取組んでいく。
また「新生プラン」については、担い手が求めるものと全農のメニューが合っているのかということも含めて「組合員・JA・消費者に実感される」ように、これまでの成果を踏まえて「必要な対応策を追加」するなど「実効性のある取り組みとして一層の加速化」をはかっていく。
こうしたことをすすめるなかで「JA・県域の意思反映・組織結集がはかれる事業運営と地域特性を重視した事業展開を行い、利用率の向上による事業分量の拡大」をすすめ経営基盤を強化していくとしている。
あわせて子会社との事業連携をはかり「全農グループとして総合力を発揮」するとしている。
また基本施策は、組合員、JA、消費者などの事業対象者別に定め、「事業の強化、経営収支の改善をはかる観点から基本施策に優先的に経営資源を投入」することにしている。
組合員に対しては▽営農類型。規模に応じた営農・販売支援と全農が定めた担い手の経営安定に向けた支援をJAと連携してすすめ、地域農業の振興をはかる▽流通・生産資材コストの低減などに取組み組合員の手取り向上につとめる▽地域を重視した事業運営を行い地産地消支援や食農教育を通じ地域の活性化に貢献する。
JAには、▽販売・生産・購買の一貫した事業構築をすすめ、全農グループの総合販売力を強化し、国産農畜産物販売機能を拡充する▽JA経済事業改革への支援と事業特性に応じた経営資源の再配置▽地域特性を重視した事業施策を展開し組織結集がはかれる事業運営を行う。
消費者には▽懸け橋機能を発揮するために、情報発信機能を強化する▽食と農に関する消費者イベントや環境保全型農業への取組みなど社会貢献活動を積極的にすすめる、ことなどを基本施策として掲げている。
なお、この事業計画は、3月28日に開催される臨時総代会で最終決定される。